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第24章 水面下

「ご準備はよろしいですか？」

「え……あ、はい」



問われて少し顔を上げる華



「遥様」



その問いが自分に向けられたものでないと気が付いた時、華は慌てて後ろを振り返った



「あ…お、おはようございます……」

「ああ」



どちらに言ったのか、遥はそれだけ返すと何も見なかったかのように車に乗り込んだ



「失礼します」



呉羽に目で促され華もあとに続く



ﾊﾞﾀﾝ



二人が席に座りシートベルトを締めたことを確認してから車が発進した



「……」



同乗するのは三回目だが、相変わらず車内には沈黙が漂っている

流石に緊張するのか華はシートベルトをｷﾞｭｯと強く握りしめていた



「……それはなんだ」



しばらくして、突然向こうから声が掛けられる



「……え？」



遥の質問は珍しい上にいつも唐突で、華は一瞬本当に自分が話しかけられたのかと周りを見渡していた