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蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ
願ってもないことだった
"壮真さんて見た目だけじゃなくて心までイケメン……!"
そんなことをされたら乙女心に火がついてしまう
…ハッ
"いかんいかん……私は結婚相手を見つけるためにいるんだから、こんな浮わついた感じじゃ駄目だ"
気をきゅっと引き締め、他意はないと示すようにただ微笑む
「ありがとうございます、助かります」
「うん」
壮真も笑顔で返し、ちょうど品が運ばれてきたのでそれを食べながら色々な話をした
大学では法律を勉強し、弓道部に所属しているらしい
「中高はバスケ部で、それなりに得意だったんだけど」
ほら、この身長だからね、と壮真は自分の頭の先から水平に指を動かす
「大学に入ったら何か新しいことをしてみたくなったから」
「そうなんですか……いつか見てみたいです」
ユニフォームもいいけど、道着も似合いそうだ
「華ちゃんはもう目星つけてるの? 大学の部活勧誘は凄まじいからね……あらかじめ絞っておかないと流されちゃうよ」
「はい、料理研究部とかに入ろうかなと。ずっと家庭科部だったし、料理は得意なので」
「ああ、アーヤに聞いたよ。今朝のご飯は華ちゃんが作ったんだって?」
「全部じゃないですけど、玉子焼きくらいは」
「美味しかったよ」
そう言ってまた微笑む
きっとお世辞なんだと言い聞かせつつ、華は笑みをこぼさずにはいられなかった