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蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ
「さてと、待ってる人も出てきたしそろそろ出ようか」
「あ、はい」
荷物をまとめ、お会計を済ませる
"結局奢られてしまった……"
「あの、ごちそうさまでした」
「ああ、気にしないで。俺はいつだって女の子に払わせたりしないよ」
"……え"
なんだか随分と女慣れしたような台詞を聞いた気がするが、とりあえずスルーしよう
「それで、この後のことなんだけど」
「はい」
「夕方また二人を迎えにいかなきゃだから……あ、ちょっと待って」
壮真の携帯が着信を告げ、華に断りを入れると急いで電話に出る
「はい、壮真です。はい……え? それは……いえ、大丈夫です。分かりました」
ひたすら受け身で電話を切ると、壮真は華に申し訳なさそうな顔を向けた
「華ちゃん、免許持ってる?」
「え? 車のですか? 一応持ってますけど……」
「悪いんだけど、アーヤたちのお迎え頼まれてくれないかな。急用が入っちゃって」
「はい……って、え!?」
車のキーを渡されて華は戸惑った顔をする
「いや、私初心者だし……」
「大丈夫、それは気にしないで。六時くらいに終わると思うから、この学校に行ってね」