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蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ
ナビ付いてるから、と学校名を書いたメモを渡される
意外と強引だ
「この辺りで暇を潰してくれても、一旦帰ってもいい。親戚だって言えば二人の部活見学も出来るよ」
「壮真さんはどうするんですか?」
「俺のことはいいから。ね?」
そう言うとぎゅっと何かを握らされた
これはーーー
「こんなのもらえません!」
「やだなぁ、駐車場代だよ。他意はないって」
"絶対一万円もいらないよ!"
「それでゆっくりショッピングとかも出来るでしょう? じゃあね」
華がそれ以上何かを言う前に壮真は手を振っていなくなってしまった
「困った……」
華はぼそりと呟く
いくら向こうが気にしていないとはいえ、無遠慮に使うわけにはいかない
ガソリンを消費することさえ悪い気がして、結局すぐに学校へ向かうことにした
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「やっ……と着いたぁ」
校門前で一旦駐車して長く息を吐く
何も距離があったわけではないが、初心者であることと色々相まってかなり疲れてしまった
コンコン
すっかり脱力していたところへ、学校の警備員とおぼしき男性が車の窓を叩いた
「あ、はい」
華は急いで窓を開ける
しまった、ここに停めてはいけなかったのか