この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ
それでいて二人の息はぴったりだった
片方が前へ行けばもう一方は後ろへ、右に動けば左を警戒と瞬時に判断している
さすがは双子といったところか
"テニスの上手い下手ってよくわかんないけど……絶対強い方だよね、あの二人"
打って走って。
打って走って。
コートを縦横無尽駆け回るその姿には惚れ惚れするところがあった
「ゲームセッ!」
審判の声がし、プレーヤーたちが一旦ベンチに戻る
「茅斗くーん! こっち向いてー!」
試合中は邪魔出来ないので、今だとばかりに女子たちが猛烈なアピールをかける
茅斗がそんなファンたちに応えるようにこちらを向いた
"うわ……"
これは確かにカッコいい
試合の汗を拭きながら笑顔を向けるその姿
反対を向いたまま水を飲む綾斗の姿もーーー
「あれ!? ハナだ!」
茅斗が華に気付いて手を振り、綾斗も慌てて振り向く
「ハナ! 見に来てくれたの!?」
途端に二人とも顔が緩んでいつもの感じに戻っていた
"マズい、バレた"
何がマズいってそりゃあーーー