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蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ



「そんなの気にしなくていいのにー」



ただ乗っているだけのお坊ちゃんは何とも無責任なことを言う



邸に戻る頃には華はもうぐったりだった



"まだ二日目なんだけど……こんなんで大丈夫なのかな……"



綾斗たちと食堂に向かいながらぼーっとした頭でそんなことを考える



「あれ、お帰り。遅かったね」



食堂では既に他の面々が食事を始めており、こちらに気付いた和樹が声をかけてきた



「たっだいまー!」

「た、ただいま戻りました……」

「お帰り」

「……」



結利は明るく出迎え、その隣に座る要は顔も上げずに黙って食事を続ける



「あれ? ソーマとレンおじさんは?」

「外で食べてくるって。兄さんの分は急だったから作っちゃったらしいんだけど、どっちか食べる?」

「うん、食べる!」

「いや、ボクが!」



まだ自分の分も食べていないというのに一食の膳を巡って争う双子



「ホントに食いしん坊だなぁ」



そんな二人を和樹は笑って見ている



「……何?」



急にこちらに視線を向けられ、華は思わずじっと見ていたことに気がついて慌てた



「あ、あのいえ別に……」

「もしかして君も食べたいの?」


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