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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

呉羽はさらりと流したが華は相当なショックを受けていた
"五人でも大変なことなのに、七人……"
なぜ七人なのかの説明は一切ない
呉羽はもう既に淡々と次の説明に入っていた
「五大企業のご子息様ではありますが、そこでは皆様会社ではなく親戚としてのお付き合いをなさっています。ですので華様もそのように。特に今回は婚姻が目的ですから」
「は、はい」
「ご存知でしょうが、早霧を宗家、他五つを分家と区別しております。
これから向かわれる邸は遥様が住まわれている宗家の屋敷と渡り廊下で繋がっておりますが、呼ばれない限りそこには立ち入らないように」
「分かりました」
"なんかすごい大変そう……"
「呉羽様、到着致しました」
「ああ、遥様のお姿が見えたら教えてくれ」
呉羽が運転手と話している間に、華はチラリと外を覗く
「え、ここって……!」
「気が付かれましたか」
華が驚いたのを見て呉羽は頷いた
「華様がこの四月から通われる大学です」
まさか自分が入学する大学に、早霧家の跡取りがいたとはーーー
"これは真里枝にも教えないと!"
「遥様と同じ大学とは、華様は非常に優秀でいらっしゃいますね」
「いえ、そんな……」

