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蜘蛛の巣
第4章 穏やかな日
車内で恥ずかしいほどの大声を出してしまう
「いや、最後のは別に普通でしょう」
「あ、そそうですね……」
最初の二つがーーー特に二番目が衝撃すぎて。
「い、色んなジャンルが書けるんですね!」
「うん。でも一番得意なのは官能小説かなぁ」
"……聞かなかったことにしよう……"
ペンネームは全部違うんだよ~、と隣で話を続ける煉に、華は専ら
「はぁ」
とか
「そうなんですか……」
とかしか返せなくなっていたーーー
そんな会話(?)を続けるうち、目的の駅に辿り着く
「ありがとうございました」
お礼を言った華を煉がちょっと待ってと引き止めた
「帰りはどうするの?」
「あ、夜ご飯は外で食べるので大丈夫です」
「いや、そうじゃなくて」
どうも時々話が噛み合わなくなる華に煉は苦笑する
「邸までどうやって戻るの?」
「あっ……」
それは考えていなかった
"どうしよう……"
考え込む華に、煉がある驚くべき提案をした