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ホントの唄(仮題)
第1章 一人と一人
それは近道をしようと、足を踏み入れた小さな公園で――。
「うわっ――!」
俺は足元の砂利をズザッと踏み鳴らし、思わず背筋を凍らせた。俺をその様に驚かせた原因は、公園のベンチの上にひっそりと佇んでいる。
一瞬、裸なのかと思った。でも、違う。おそらくは、ショートパンツとタンクトップ。何れにせよ、この夜には薄着すぎる。
照らし上げるような、スポットライトの如き外灯。それが浮かび上がらせる姿は、長い両脚を抱え込み、俯いた頭からは長い髪が流れるように伝う。
お、女……?
俺はそれを眺めて、至極最低限の判断のみを下していた。