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ホントの唄(仮題)
第4章 僅か、重なりゆく情景
それはどうやら、俺の為――の、ようだった。
縛られた片手片足は、真によって与えられし――すなわち、口実なのであろう。
その拘束を解かないで(飽くまで形の上で)身体の自由を奪われている限り、俺は抵抗せずにいる自分を正当化することができるのだ。
「あん……スゴイ、ね」
ついには艶めく声を以って、そう感想を伝えた真のしなやかな手先により、無様なまでに高鳴り硬直した突起は、ズボンの外へと露出している。
掴まれ、弄ばれ、その反応の一部始終を――目撃され。
それをこの上もなく、恥辱と感じているにも拘らずに――
「くっ……」
俺は受けた快感に声を漏らしながら、しかし真の行為に抗おうとはしてない。否、逆らえないのだ。
真っ白になりつつある意識は既に欲望に正直となり、昂揚するに倣うと――劣情の虜と化すかのように……。
「オジサンの……とても、熱くて……」
やがて囁かれた言葉は、距離感すら掴めず――それは、背徳にまみえる心理にダイレクトなコンタクトを叶えるかの如く。
「いいよ……ほら……もっと……感じてよ」
いつの間にか美声は破廉恥な音の響きとなり、俺を更に頂の程近くへと誘ってゆくのだった。