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ホントの唄(仮題)
第5章 景色は騒々しく
その半裸の女は、便座から身を前に乗り出ような体勢。そして、口元からチロリと出した舌を、既に顕わとされている俺の股間の先端へと伸ばしている。
ちなみに、真の無防備な下半身については幸い(?)ながら死角となり、俺に目には届いていない――と、一応の補足まで。
まあ、そんな感じで。新品の電球が煌々と輝く最中――。
「あはは……」
「真、お前なぁ……」
誤魔化すように舌を引っ込めると、笑った真の顔を、俺は見下ろしじっと睨みつけた。
「ああ、もう――だから、この手の悪ふざけは、勘弁してくれって言っておいたはずだぞ」
そう愚痴を零しながら。下ろされたジャージのズボンを、いそいそと戻そうとする。ともかく、そのままでは格好が無様で説教も儘ならないのだ。
だが、そんな意図に反し――
「おや、止めちゃう?」
「は?」
「元気になってるし、せっかくだから最後までしてあげるのに」
「……!?」
絶句すること数秒。その間、俺の中で何かが戦っていたように思う――が。
「ホラ、コレで」
そう言ってペロッと舌を出す真の顔を見ると、自らの内に生じた邪念を振り払うようにして、俺は怒鳴りつけた。
「いいから――さっさと、〇ンコに集中しろっ!」
――バタン!
トイレを飛び出ると、ドアを勢い良く閉ざす。