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第5章 景色は騒々しく

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　そんな部屋でのやり取りから、ほんの数十分後。

　俺は真を同乗させると車を走らせている。向かっているのは自宅より車にて三十分ほどの避暑地にあるアウトレットのショッピングモールだった。

　つまり結局は真に押し負け、買い物にお出かけという展開である。

　幾つかの懸念がありながらもそうしたのは、端的に表すのなら『泣く子には勝てない原理』といった感じ。流石に真が泣いて駄々をこねた訳ではないが、一緒にいる身としては機嫌を損ねるのは避けたいのだ。


「――♪」


　その甲斐もあり助手席の真は風に吹かれながら、気分もよさげに鼻歌を奏でている。長いストレートヘアを後ろで一つに纏めた横顔は、それだけで随分と印象が変わった。それに合わせ帽子とサングラスも着用。

　まあ、大丈夫かな――と、その姿をチラ見して、俺は思った。