この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第6章 急かされて旅立つ

「ちっ……アイツか」


 舌打ちをしながら呟く。と同時に、俺の頭の中では全ての事象が繋がりをみせた。


 太田については、ああいう男である。俺から五年遅れで入社した当初から、持ち前の調子の良さで上司に取り入ってきた姿を目にしている。その甲斐もあり、今は社長や重役たちの子飼い。あざとくて狡からくて、そこそこ頭も切れるという質の悪さだ。

 アイツなら、自分より年上の社員をいびり出すことくらい、平然とやってのけるだろう。もちろん上からそう言い含められた上で、その役職に着いている筈だ。


 それら状況を理解しつつ難しい顔をしてみても、俺にはこんなことしか言い様がない。


「斎藤さんたちに対しては、気の毒に思います……だが、今の俺には、どうしようもないのが現実ですよ。現にこの嘆願書だって、今ここにあるってことは――?」


「はい……。突き返されました」


「――でしょうね。つまり俺は既に、社員ですらないってことですから」


 俺たちの抵抗も虚しく、会社はどうあってもリストラを断行しようとしている。自分のしたことが無駄に帰したことに無念の想いは禁じ得ないが、言葉通り俺にできることなどもうないのだ。

 しかし、この直後。斎藤さんは実に意外なことを、俺に告げているのである。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ