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ホントの唄(仮題)
第6章 急かされて旅立つ
「――オ、オジサン?」
驚いた真の声が、耳元に心地よく響く。
気がつけば俺は、その身体を強く抱きしめていた。
そして、全てのくだらない思惑をかなぐり捨てるようにして――俺は、言うのである。
「真――俺と、旅に出るか」
「は?」
思いもよらぬその申し出に、唖然とする真。
その反応にカッと顔を熱くし、恥ずかしさに耐えながら――俺は念を押した。
「嫌なら、いいけどなっ!」
そしたら――ギュッと俺を抱き返し。
「うん。行こう」
と、真は言った。