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ホントの唄(仮題)
第1章 一人と一人
くっ……このガキ。
だが、この程度で取り乱すのもどうかと思い。大人の俺は、グッと湧き立つものを抑えた。
そう――相手は恐らく、自分の半分程度しか生きていない小娘である。
俺は優しく微笑むと、今度はできるだけ柔らかな口調で訊ねた。
「わかったよ。じゃあ、一つだけ教えてもらおう。君はあの公園で、何をしてたんだい?」
はっきり言って、それも別にどうでもいい。だがこうして貴重な時間と金(牛丼代、きっと俺が払うんだろうし)を浪費した以上、せめて納得のいく理由くらいは聞いておきたかった。
それに対しニコリと微笑んだ女は、こんなことを口にする。
「だ・か・らぁ――そんな話、どうでもよくない? ねえ、オジサン」