この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第7章 二人だけの時間に

 その伝説的バンドの楽曲には、それまでにも真が興味を示していた。

 俺はカーオーディオを低目のボリュームに設定し、そのCDをかける。

 真はシートを倒しそっと目を瞑ると、子守唄代わりにその曲を耳にしていたようだった。


 そのまま暫くして、そのアルバムも終盤に差し掛かっていた頃。


「これ……なんて曲?」


 不意に真から、そう問われた。


「起きてたのか?」


 俺が見ると――


「なんか、妙に染みてきてる……特に、詩が……ね」


 真は瞳を閉じたまま、まるで寝言のようにそう言った。

 それに対し、その曲名を告げた俺は――少し迷った後に、こんな注釈を付け加えた。


「この曲は――バンドのヴォーカルが、亡き祖母の為に書き下ろしたものだってさ」


 決して直接的な表現ではないが、確かにそれは別れを唄った一曲である。

 すると、ややあって――


「そっか。どうりで、ね……」


 真は消え入りそうな小声で、そう言った。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ