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ホントの唄(仮題)
第9章 対峙して、知るもの

「私の夫――真の父の死は、私たちとって正に青天の霹靂となりました。仕事先で倒れたとの一報を受け、私が病院に駆け付けた時には、もう……」


「……」


「当時、呆然自失であった私が、その後にどうやって夫の葬儀を執り行ったものか……。それすら、未だ記憶が定かではありません。きっと、只、粛々と……恐らくは、自分の気持ちを整理するので、精一杯だったように思います」


 その死については「急病」であるとだけではあるが、真の口からも聞かされていた。真がデビューのチャンスを掴もうとしていた、そんなタイミングであった――と。

 その当時を思い出してのことか。酷く憔悴したように見える彼女の言葉には、偽りが割り込む余地はなかろう。少なくとも突然の夫の死を前に、悲しみに暮れたであろうことは、察して余りある。


「自身がそうであったことで、情けない話なのですが……。私がようやく真のことを気にかけることができたのは、告別式の少し後のこと……」


「その時の――真の様子は?」


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