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ホントの唄(仮題)
第1章 一人と一人
その眼差しは、トロンとして。
囁いた口元が、妙に艶めかしい。
女は俄かに、その気質を変えた。
「い、いい……と、は?」
年甲斐もなく、激しく動揺する俺。
その形を成さない問いに、彼女の唇が怪しく微笑む。
「つまり、一宿一飯の恩義ってやつだよ」
「は?」
「だ・か・らぁ」
「――あ!」
むぎゅ――何かとても柔らかいものが、俺の顔面を包み込んでいた。
女の両腕が俺の頭部を、胸の弾力の最中へと迎えている。
微かな香水と汗の――女の香りが、ふわっと立ち込め。
たわわな胸の感触と共に、俺の正常な思考を奪おうとする。
そして更に、女はハッキリと自らの意図を顕わにした。
「いいんだよ。オジサンの――好きにしても」