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ホントの唄(仮題)
第1章 一人と一人
当然ながら、そこまで言われてしまえば、白を切る訳にもいかない。
だがそれは、このまま「好きにする」と同義ではなかった。
「ち、畜生……」
俺は魅惑的な二つの山の谷間で、辛うじて冷静さを取り戻そうと足掻く。
まずは状況の整理。そして、これが何らかの罠である可能性を疑う。
なんか、不味い!
偉そうに前置きした割に、得られた答えは直感的なもの。それでも、一気に欲望に傾くことだけは、避けられていたようだ。
その辺りが、そこらの若造とは違う。伊達に年を重ねている、訳ではないのだ。
俺は心地よい弾力から顔を起こし、女の顔を睨みつけた。
しかし、俺の緊張感とは対照的に――
「ふわぁ……」
女は大口を開け、呑気にも欠伸をしているのである。