この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第10章 想い、知らされて

 だが、真は違った。突然、俺に突き放された後、彼女の中にどんな想いが渦巻くものか、それを考えれば大いに憂鬱にもなる。


 いや、それこそ‐―俺の、自惚れではないのか。


 俺と真は本来なら、共にある筈のない二人である。そう表してしまうから、変に思い違いが生じてしまう。そう、俺たち二人が、特別なのではなくて。その存在が世間を賑わすほどに、特別に尽きるのは言うまでもなく――真、一人だった。

 だから、初めから、俺はこの物語の終末の在り方を知っている。わかっていた。わかりきっていたのだ。


 真が去ってゆく、その後ろ姿を――俺が見送るより他は、ない。


 そして、俺とは異なる角度から、真もこの物語を捉えているのだろう。輝く場所は、彼女の魂を惹きつけて止むことはなかろう。ならば本能的である故により強固に、真もそれを察している筈だ。


 迷いを脱すれば、きっと。真は自らの足で、揺ぎ無く其処を目指す。


 だとすれば、俺のこの想いは杞憂だ。真の邪魔になることはあっても、一つの助けにすらなるまい。


 だったら、俺も、いっそ……。


「……」


 その背中を、せめて力強く――突き放して、やるだけ。


/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ