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ホントの唄(仮題)
第1章 一人と一人
――バタン、ガチャ!
まず起き上がった俺は、開きっぱなしだったドアを閉め、すかさず施錠。こんな時刻とはいえ、万一第三者の目に触れでもしたら、世間体が悪いのだ。
だが、くれぐれも誤解はなきように。何も見られて不味い行為に、及ぼうという訳ではなかった。
「……」
俺は額の冷や汗を拭いつつ、床に転がった爆睡女子を眺める。
グー、グー。
規則的に奏でられる鼾は、既に深い眠りの世界の住人の証だ。ちょっと揺すった程度で、目を覚ましてはくれるとは思えない。
「ああっ、畜生が」
と、俺は、この不条理に対する悪態をつき。
近頃めっきり弱りかけた、足腰を踏ん張ると――
「よっ……と!」
女の身体を抱き上げ、そのままベッドに運ぶのだった。