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ホントの唄(仮題)
第1章 一人と一人
ドサッ、と横たえた刹那。
「ぁん……」
と、無意識の内に、実に色っぽい声を発した。
「――!」
それは否応なく、俺の視線を釘付けにする。
細くしなやかで、肌も顕わな両脚が絡み。
横を向いた胸元は、クッキリとした谷間を見せつけている。
そして――
『好きにしても――いいよ――――いいよ――――――いいよ――――――――いいよ』
俺の脳裏でリフレインされゆく、あられもなき言葉。
ゴクリ――と、俺は思わず喉を鳴らす。
亜樹のやつが、変に刺激していたことも手伝い。一度は沈めた如何ともし難い欲望が、俺の中に湧きあがっていた。
「くそっ、ふざけやがって」
俺は何かを振り払うようにそう吐き捨て、キッチンの蛇口を開くと冷水を頭からかぶった。