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ホントの唄(仮題)
第14章 エピローグ
「承知してます。ですから、来年こそはお願いいたします、と――」
そう言って席を立った中島さんに、何気に目線を送った。その背中に汗が滲んでるのを認め、不用意にこう口走ってしまう。
「そうだね。中島さんも、汗っかきみたいだし。大変そうだ」
「――!?」
中島さんは自分の両腕を抱え肩口を窄めると、信じられないとばかりに非難の眼差しを向けた。
その反応を見るや、ヤバいと俺は自らの迂闊さを痛感している。
「い、今のは――セクハラ? それに加え、パワハラ? ついでに、モラハラも?」
「いやっ……少なくとも、モラハラとパワハラは違うでしょ!」
慌ててそう言ったのを聞き届けてから、中島さんはキッパリとこう言い切る。
「では、社長を相手取り、セクハラで訴訟を起こすことにいたします」