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ホントの唄(仮題)
第14章 エピローグ
それは登山の時に撮った、真との一枚――。
「……」
中島さんは両目をこらして、穴が開きそうなくらいその携帯の画像を見つめた。
「どう、かな?」
と、訊くと。
「うーん……社長のガラケーだと画面が小さくて何が映ってるか、わかりませんよー。しかも引きの画像(え)だし……」
「いやっ、よく見なって! ホラ、コレ――俺の隣りに!」
「もしかして、このジャージの女の子が『真』だとでも?」
「ああ、そうだよ」
自身満々にそう訴えた俺に対して、中島さんは実に深いため息を「はあっ」と吐いた。
「それで、お二人は――どのようなご関係で?」
「それはそれは、只ならぬ関係――かな」
「社長。寝言なら寝てから言ってください。あ、でも――本気で寝ないでくださいよ。午後はちゃんと仕事してもらわないと困りますから」
どうやら金輪際、それを信じてもらえそうもなく。
「ハハ……了解です」
ま、そりゃそうだ――と、俺は苦笑を浮かべた。