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ホントの唄(仮題)
第2章 緊急モラトリアム

この娘の貞操観念は、どうなっているのだろうか。否、そんなもの持ち合わせていないのかもしれない。
これぞ『ザ・芸能界の闇』なのか? やはり『枕営業』は、世界の常識だというのか?
たまにコンビニで見かける、下世話なゴシップ雑誌の見出しが、俺の脳裏を駆け巡っていた。
「オジサン――なんか固まっちゃってるけど、平気?」
コクリ、と俺は無言にて頷く。
「そう。じゃあ、する?」
プルプル、と今度は首を横に振る。
「なんだ。じゃあ、私――とりあえず、シャワー借りるね」
「ああ、いい、けど――――えっ?」
ようやく言葉を取り戻しつつも、まだ頭の回転の方は回復せずに。
バスルームへと消えゆく真を、俺は呆然と見送るしかなかった。

