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ホントの唄(仮題)
第3章 異常な日常の場面で
天野ふらののことは、ほとんど知らない。が、真のことならば、例え一日余りの邂逅であっても僅かながら知ってる。
天野ふらのという巨大なイメージの塊が、俺の傍らにで眠る真の姿とは食い違って思えていた。
彼女が綴る恋愛に纏わる詩は、良く言えば淡く切なくもあり。だが一度穿った目を差し向ければ、それは何処か甘ったるく上辺を滑り決して芯には届き得ないもの。
否、そもそも俺のような男が、その善し悪しを推し量る術などないのである。しかし、それでも敢えて言うのなら、それは真の言葉とは違っているように思えていたのだ。
これが、真の抱えるジレンマの……正体?
しかしながら、高がネットで得た情報で何かを悟ったような気になるのは、あまりにも浅はか。一応、頭の片隅には置くことにするが、それ以上何かを調べ上げることには抵抗を感じている。
そうして、パソコンに開かれたページを、閉じようとした時だった。
「ん――!?」
俺は気になる文字列に、期せずして目を止める。