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第6章 寝物語【陽炎】
「お前の身体も舐めて清めてやっからよ、下も拭いてくれよ」

そう言って下帯を解くと、しっかりと天を向く男の証があった。

「イヤだよ、このひとは。」

苦笑しながら諦めて絞った手拭いで周りから優しく拭き、布団に誘ってそっと着物を脱ぐ。

口を吸い、耳元、首筋、鎖骨まで舌を這わす。

「あ…」

「でけぇ声出すなよ。サヨが起きるぜ?」

「もぅ…意地の悪いことおいいでないよ…あんまり弱いとこ舐めないどくれ…」

「はは。もっと舐めてやる」

「もぅ。そういや、サヨと何の話してたの?」

「ん?お前がどんだけイイ女かって話さ。」

「なんだよそれ」

「本当だぜ?俺はお前に目会えて、本当に良かったって思ってんだからよ」

「あたしも。鷺と所帯を持てて良かった…」

久々に、男と女として互いを求め合い、抱き合って眠る。

冬の冴えた月明りだけが、その様を見ていた…




ー了ー



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