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another storys
第10章 Ma petite chérie.【Cross roads】
このシリーズは、石によって値段が若干違うんだけど、中でも4月と10月は他の月のより高い。
4月のダイヤは18万、10月のオパールは15万。もちろんそれに消費税がつく。ま、俺らが買う場合は会社通して手配すれば社割は利くけどさ…それにしたって10万超は…誕生日やクリスマスにポンとプレゼントできる額じゃ、ない。そこをプレゼントしちゃうってあたり、やっぱギャラが違うもんね…
ふぅ、と小さな溜息が出た。
「このラインはちょっと俺には敷居が高いんだけど、あっち側に誕生日にプレゼントできそうなのあるから見てみる…」
と、普段使いに、自分へのちょっとしたご褒美にと一番売れ筋のお手頃なラインのコーナーに美佳ちゃんを連れて行こうと振り向きかけた俺の視界に、見慣れた人影が入って、俺はくるりと回れ右をする。
「…っと思ったんだけど、もう昼だし、さ、先にどっかに…」
不自然にその場を離れようとした俺の背中に、
「指輪が出来たと連絡を頂きまして…萩原です」
親父の声が聞こえた。見間違いであることを祈ったけど見間違いじゃなかった。てことはやっぱり…隣にいるのは菜摘さん、だよ、ね…ふぅ。
4月のダイヤは18万、10月のオパールは15万。もちろんそれに消費税がつく。ま、俺らが買う場合は会社通して手配すれば社割は利くけどさ…それにしたって10万超は…誕生日やクリスマスにポンとプレゼントできる額じゃ、ない。そこをプレゼントしちゃうってあたり、やっぱギャラが違うもんね…
ふぅ、と小さな溜息が出た。
「このラインはちょっと俺には敷居が高いんだけど、あっち側に誕生日にプレゼントできそうなのあるから見てみる…」
と、普段使いに、自分へのちょっとしたご褒美にと一番売れ筋のお手頃なラインのコーナーに美佳ちゃんを連れて行こうと振り向きかけた俺の視界に、見慣れた人影が入って、俺はくるりと回れ右をする。
「…っと思ったんだけど、もう昼だし、さ、先にどっかに…」
不自然にその場を離れようとした俺の背中に、
「指輪が出来たと連絡を頂きまして…萩原です」
親父の声が聞こえた。見間違いであることを祈ったけど見間違いじゃなかった。てことはやっぱり…隣にいるのは菜摘さん、だよ、ね…ふぅ。