この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
another storys
第12章 Restart【Cross roads】
「…響子…響子…響子ぉぉぉ…‼︎」

病室のベッドの上。

酸素マスクを着けたままの顔は痩せこけて、出会った頃の面影はどこにもない。

ベッドの横の心電図モニターは、ピッ…ピッ…と、弱いながらも脈動を続けている。でも、握る手には力もなく、くったりとしている。
…もう意識は戻らないだろう。

どのくらい経ったのか。

ピー…………

という音と共に、モニターの波形が消え、1本の線になる。
担当医が小さなライトで瞳孔を確認し、日付と、時間を告げると、看護師がそれをカルテに書き取る。

「奥様は、十分頑張りました。」

担当医が、他に言いようがない、という感じでポツリと呟く。

俺はベッドサイドで立ち尽くしたまま、腕の中の赤ん坊を抱きしめる。脚から力が抜けて、立っているのがやっとだった。辛うじて立っていたのは、娘を抱いていたからだ。そうでなければ崩折れていただろう。

腕の中でさっきまでスヤスヤと眠っていた娘は、俺の声と抱きしめる力に驚いて「あぁーん」と泣き出した。
娘を抱きしめながら、俺の頰にも涙が伝う。

あの日。
この子を産むと決めた時から、いつかはこの日が来ると、わかっていたのに…




/647ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ