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another storys
第12章 Restart【Cross roads】
結婚してすぐに、響子は妊娠して、翌年には長男が生まれた。男の子ももちろん可愛かったけど、俺は最初は女の子が欲しかった。
エコー写真ではイマイチよく写ってなくて、性別が長いことわからなかった。産科医も、そういう明言はしない。診察時の軽い会話で言ったの言わないのの話になるからだろう。性別が分かる前、
「響子に似た女の子がいいなぁ」
と言ったら
「女の子は父親に似るっていうわよ?」
「女の子で俺に似たら可哀想かな…」
まぁ可愛い!じゃなく、ちょっと引き気味にお父さんにそっくりねぇ、としか言われないのとか、想像しただけで泣ける。
「女の子で俺に似て目細かったらやっぱ可哀想だなぁ…となるとやっぱ男か…いや、やっぱ女の子のパパになりたいわ~」
「年頃になって邪険にされても?」
「…」
「クサイとか近寄るなとか言われるんだよ?」
「……」
「揚句他のオトコに持ってかれるのにねぇ?」
「ウルサイ!夢を壊すんじゃないよ!」
半泣きの俺を見て響子はケタケタ笑った。
結構お腹が大きくなってから性別が判って。男の子だと判った時はもう男とか女とかどうでもよくなってた。
悪阻もきつかったし、おなかが大きくなるとホントしんどそうで。俺は何もできない無力感が強くて、どっちがいいとかそんなこと言っちゃいけない、ただ、元気で生まれてくれればそれでいい…
そう思った。
エコー写真ではイマイチよく写ってなくて、性別が長いことわからなかった。産科医も、そういう明言はしない。診察時の軽い会話で言ったの言わないのの話になるからだろう。性別が分かる前、
「響子に似た女の子がいいなぁ」
と言ったら
「女の子は父親に似るっていうわよ?」
「女の子で俺に似たら可哀想かな…」
まぁ可愛い!じゃなく、ちょっと引き気味にお父さんにそっくりねぇ、としか言われないのとか、想像しただけで泣ける。
「女の子で俺に似て目細かったらやっぱ可哀想だなぁ…となるとやっぱ男か…いや、やっぱ女の子のパパになりたいわ~」
「年頃になって邪険にされても?」
「…」
「クサイとか近寄るなとか言われるんだよ?」
「……」
「揚句他のオトコに持ってかれるのにねぇ?」
「ウルサイ!夢を壊すんじゃないよ!」
半泣きの俺を見て響子はケタケタ笑った。
結構お腹が大きくなってから性別が判って。男の子だと判った時はもう男とか女とかどうでもよくなってた。
悪阻もきつかったし、おなかが大きくなるとホントしんどそうで。俺は何もできない無力感が強くて、どっちがいいとかそんなこと言っちゃいけない、ただ、元気で生まれてくれればそれでいい…
そう思った。