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another storys
第12章 Restart【Cross roads】
もちろん癌の進行や転移は個人差があるから、妊娠を継続して、赤ん坊が産める最低限の大きさになった時点で帝王切開で出産して、すぐ手術、もできなくはない。
でも、そうした場合両方助けられる可能性は低くなる…子供を諦めて、すぐに手術したとしても、リンパ節への転移があるから、根治の保証はない。
ただ、治療に取り掛かるのが早ければ早いだけ、生存の可能性が高まる、という話で。
響子は、産みたいといった。
俺は、もう誠大が居るんだから治療に専念してほしかった。でも響子は…
「次、女の子かもしれないじゃん。」
「俺が、女の子が欲しいって言ったからか?」
「それもあるけど…もし男の子でも誠大に兄弟がいた方がいいと思う。一人じゃ可哀想だもん。」
話し合いは平行線を辿り、結論の出せないまま中絶できる期間を過ぎてしまい、結局、響子は妊娠を継続して、8ヶ月で帝王切開で女の子を出産した。
希望に満ちた人生を送れるようにと願いを込めて、満希(みき)と名づけた。
保育器の中で大きな声で泣く小さな小さな生命を二人で見ていると、勝手に涙が出た。
でも、そうした場合両方助けられる可能性は低くなる…子供を諦めて、すぐに手術したとしても、リンパ節への転移があるから、根治の保証はない。
ただ、治療に取り掛かるのが早ければ早いだけ、生存の可能性が高まる、という話で。
響子は、産みたいといった。
俺は、もう誠大が居るんだから治療に専念してほしかった。でも響子は…
「次、女の子かもしれないじゃん。」
「俺が、女の子が欲しいって言ったからか?」
「それもあるけど…もし男の子でも誠大に兄弟がいた方がいいと思う。一人じゃ可哀想だもん。」
話し合いは平行線を辿り、結論の出せないまま中絶できる期間を過ぎてしまい、結局、響子は妊娠を継続して、8ヶ月で帝王切開で女の子を出産した。
希望に満ちた人生を送れるようにと願いを込めて、満希(みき)と名づけた。
保育器の中で大きな声で泣く小さな小さな生命を二人で見ていると、勝手に涙が出た。