この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
another storys
第12章 Restart【Cross roads】
右乳房は完全切除。左は残ってるけどすぐに抗がん剤治療が始まって、母乳はあげられない。
なのに胸が張る、と言っては、赤ん坊に飲ませられない母乳を搾って捨てる。
髪も抜けたし、嘔吐も酷くて、子供は完全に俺の母親に預けっぱなしで。
俺は病院と会社の往復だった。このころの子供たちのことを、俺はほとんど知らない。
ただ、母親から毎日送られてくる子供の写真を、病室で2人で携帯で見た。
週末、響子の調子がいい時には子供たちを病室に連れて行ったりもした。
もう、治らないかもしれない…そう思い始めたのはいつ頃だろう…
気弱になっちゃいけない、俺が支えなくてどうする、と思う気持ちと、完治する保証もないのに、辛い治療を続ける意味があるんだろうか、という思いが交錯する。仕事と病院の往復生活に疲れていたのもある。
だんだん痩せていく響子を見るのがつらい、というのもあった。
なのに胸が張る、と言っては、赤ん坊に飲ませられない母乳を搾って捨てる。
髪も抜けたし、嘔吐も酷くて、子供は完全に俺の母親に預けっぱなしで。
俺は病院と会社の往復だった。このころの子供たちのことを、俺はほとんど知らない。
ただ、母親から毎日送られてくる子供の写真を、病室で2人で携帯で見た。
週末、響子の調子がいい時には子供たちを病室に連れて行ったりもした。
もう、治らないかもしれない…そう思い始めたのはいつ頃だろう…
気弱になっちゃいけない、俺が支えなくてどうする、と思う気持ちと、完治する保証もないのに、辛い治療を続ける意味があるんだろうか、という思いが交錯する。仕事と病院の往復生活に疲れていたのもある。
だんだん痩せていく響子を見るのがつらい、というのもあった。