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第2章 その後のふたり【パズルⅡ・運命の恋人】
確かに、ウチの酒は製法に拘ってるのもあって、量産できないから価格は高め。手頃なのもあるけど、大吟醸は720ミリの5合瓶で8,000円、一升瓶だと15,000円、だったかな。
僕も送って貰えるから惜しげなく呑んでるけど、自分の給料で買うとしたら、かなり奮発した自分へのご褒美だ。
大吟醸はあくまで食前酒としてちびちび呑んでて、あとは生酒か、料理と一緒に純米を呑んでることが多い。

切子のグラスに冷たい大吟醸を注いで、サトシさんと乾杯。

「軽〜い!大吟醸って、こんななんだね!」

「米の芯だけ使うから雑味がないでしょう。ここまで精米できるのは新潟の米じゃ無理みたい。これだけは兵庫県の山田錦を仕入れてるんだよ。だから、味としては灘の酒に近いかもね。」

「へぇ〜。灘も有名だもんね」

「うん。ま、この辺は僕も実務に携わってるワケじゃないから義兄さんの受け売りだけどね。」

肴はお気に入りの笹かまにワサビを乗っけた板わさと、クリームチーズ。あ〜、刺身が恋しい…
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