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another storys
第13章 Lesson ー笑顔の魔法ー【パズルⅡ】
自席に戻っても特に置かれている仕事はなくて、時間をやりすごして、定時で退出する。
長野さんの言葉が頭の中をぐるぐる回ってた。
自分を護るためにうまく立ち回る。
そんなこと、考えたことなかった。
自分がストレスを感じてるとも。でも、確かに、食欲不振、ってほどでもないけど、あんまりガッツリ食べたいとは思わない。
ホントに時期的なものもあるんだろうけど、どこまでが夏バテで、どこからがストレスによるものなのかはわからない。
最近小さな吹き出物も目立つ。肌も乾燥して、化粧ノリは確かに良くなかった。これも冷房のせいだと思ってたけど、ホントのところはわからない。
全部、理由はつけられる。だけど、目に見えないから、断定はできない。これが自分の痛みを見て見ぬふりして、気づいてない、ということなのかもしれない…
そう思ったら、自分の立っている場所が静かに崩れていくような、砂浜に立って、足元の砂が波でえぐられていくような、なんとも言えない不安に襲われた。
笑顔は人間関係の潤滑剤…
他人は変えられないけど、自分は変われる…
ホントに?
変わる必要なんてないって、思ってたけど。
私が変われば、何かが変わるの?
今はまだ、よく分からなかったけど。
長野さんの言葉を信じて、ちょっとだけ、皆に歩み寄ってみようかな、と思った。
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