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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
「…ほんなら何で毎日飲んでんの?嫌いやったら呑まんでもええやないの…お酒やってタダやないのに…」
「せやけど、祭りとか、大漁の時とか、杯しなあかんやんか。勧められたらこれ以上は呑まれんて断れへんのや。せやから練習しとんやで。」
呑めんなら呑めんと素直に言うたらええのに…呆れた意地っ張りや…
「ビール、残したら勿体ないな。ほんなら俺が貰ろてもええか?」
穏やかに笑う浩二郎に新しいコップを出してビールを注ぐ。
だいぶん気も抜けて、泡立ちもおとなしい。
正一郎に注いだときは半分ほど白い泡になったのに。
コップに注がれた金色の酒をくっと呑み干し、
「おぉ、この苦味がまた夏にはうってつけやな…この煮つけにもよう合うわ。もう一杯貰える?」
結局、正一郎が呑んだ残りはほぼ浩二郎が片づけてくれたので、捨てずに済んだのだったが。
結婚二十年目の新事実だった。
「せやけど、祭りとか、大漁の時とか、杯しなあかんやんか。勧められたらこれ以上は呑まれんて断れへんのや。せやから練習しとんやで。」
呑めんなら呑めんと素直に言うたらええのに…呆れた意地っ張りや…
「ビール、残したら勿体ないな。ほんなら俺が貰ろてもええか?」
穏やかに笑う浩二郎に新しいコップを出してビールを注ぐ。
だいぶん気も抜けて、泡立ちもおとなしい。
正一郎に注いだときは半分ほど白い泡になったのに。
コップに注がれた金色の酒をくっと呑み干し、
「おぉ、この苦味がまた夏にはうってつけやな…この煮つけにもよう合うわ。もう一杯貰える?」
結局、正一郎が呑んだ残りはほぼ浩二郎が片づけてくれたので、捨てずに済んだのだったが。
結婚二十年目の新事実だった。