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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
あれのせいで私は蛇も蛙も蜥蜴も苦手になったんや。
おかげで畑仕事の合間に蛇でも見ようもんなら大声を上げて皆に笑われる。
その太一が、親を通じて縁談を持ち掛けてくるとは夢にも思わなんだ。
まさか大人になってまで蛇や蛙もなかろうが…
親に異存はないなと尋ねられ、、知らぬ仲ではないし、一度太一と話してみたい、と応えた。
太一の答え如何で受けるか断るか決めよう。
そう思った。

自宅の畑仕事を手伝い、帰る途中、太一の家に行った。
太一は漁師だから、昼網を終えれば、後することと言えば破れた網をつくろったり、船の手入れをするくらい。
日の落ちる前には家に居て、今晩の漁に向けて仮眠を取ったり飯を食ったりするだけだ。

「おばさん、太一、寝とるん?」

「あら、タツノちゃん!ちょっと待ってよ、すぐ起こすわ。」

母親にたたき起こされ、太一は眠たげな顔で、頭を掻きながらのんびりと起きてきた。
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