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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
高等小学校の時、草叢の中の雉のつがいの刺繍をした。時間をかけてゆっくりと。
妹の菊乃はコツコツ仕上げるとかは苦手で、お姉ちゃんようやるな、と言われたけど。
私は本を読むか刺繍くらいしか出来ることがあらへんから、苦にはならんかった。
結局、その刺繍が見事やと褒められて、額に入れられ、今でも学校に飾ってあると聞いた。
校長先生に言われて、海辺に咲く浜木綿の花の刺繍をしたこともある。
そうやって、頼まれるのは、素直に嬉しかった。自分にも生きてる意味があるんや、って、ちょっとだけ思えた。
本を読むのも好きやったから、学校の勉強はできた方やと思う。
あかんかったのは体操くらいかな。
妹の菊乃は、お転婆で、走るのも早いし、男の子に混じって野球して、いつも真っ黒に日焼けしてるような子。
学校で職員室に呼ばれる時は、
私は何かしら褒められること。
菊乃は何かしら怒られること。
そんな、正反対の姉妹やった。
妹の菊乃はコツコツ仕上げるとかは苦手で、お姉ちゃんようやるな、と言われたけど。
私は本を読むか刺繍くらいしか出来ることがあらへんから、苦にはならんかった。
結局、その刺繍が見事やと褒められて、額に入れられ、今でも学校に飾ってあると聞いた。
校長先生に言われて、海辺に咲く浜木綿の花の刺繍をしたこともある。
そうやって、頼まれるのは、素直に嬉しかった。自分にも生きてる意味があるんや、って、ちょっとだけ思えた。
本を読むのも好きやったから、学校の勉強はできた方やと思う。
あかんかったのは体操くらいかな。
妹の菊乃は、お転婆で、走るのも早いし、男の子に混じって野球して、いつも真っ黒に日焼けしてるような子。
学校で職員室に呼ばれる時は、
私は何かしら褒められること。
菊乃は何かしら怒られること。
そんな、正反対の姉妹やった。