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第20章 Marriage purple【遅咲きのタンポポ】

「はぁ…」

「どうしたんですか？結城さん…」

会社での昼休み。
携帯を見ながら思わず溜息を吐いた私に、田嶋さんが声をかけてきた。

「…いやぁ…何ていうか…お式の事とか、ね、イロイロありまして…」

「マリッジブルーってヤツですか？」

「そうなのかなぁ…」

「解る！なんていうか。こう、嬉しいのに何かブルーなのよねぇ、結婚する前って。」

婚約期間をあまり置かず、私より先に結婚した高木さん、改め矢口さんが、大げさに同調してくれる。

「私、そんな派手にしたくないんですけどね…出来れば家族とごく親しい友達くらいで、こぢんまりとしたお式を勝手に想像してたんですけど…彼のご両親とか、会社関係とか、イロイロしがらみみたいなものがありまして…」

「あー、なるほどねぇ」

「高…矢口さんもそういうの、あったんですか？」

私も田嶋さんも、矢口さんとは呼び慣れてなくて、ついつい高木さんって言いそうになっちゃう。