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another storys
第21章 父とオトコの境界線【社内恋愛のススメ】
名前は、北川 大樹(ヒロキ)。
親の俺よりデカいオトコになるように、とまぁ安直ではあるが、わかりやすくて良いと思う。遙が『樹』と入れたいと言い張るから、色々考えた結果、シンプルなのにした。

俺がヒトの親になるなんて、数年前は想像すらしてなかった。
一生独身でいいと思ってた。
だけど、遙と出逢い、結婚したいと思った。
遙が、子供を欲しがって、色々あったけど、無事に生まれてきた。
俺は子供なんて全然好きじゃないし、別にいらないと思ってたけど…生まれてみれば可愛かった。

血を洗い流して、ふやけた感じが治まったら最初のインパクトもなく。
もっとサルっぽいのを想像してたけど、意外にちゃんとヒトだった。目の形とか、俺に似てるところもあって。
人差し指を近づけると、きゅっと握ってくれたりする。こんなに小さいのに、爪とかちゃんとあって、生きて動いてる。それだけでちょっと感動してしまった。

きっと父親としては頼りない。

だけど、これから一歩ずつ、遙と支えあって、父親になっていこう、と決めた。

これから宜しくな、大樹。

眠った赤ん坊の頬を人差し指で撫で、遙にキスをして俺は病室を出た。



ーfinー






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