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another storys
第24章 かわいいひと【Cross roads】
「本来フルオーダーは、お客様ともっと密に話し合いながら、細かい部分まで詰めていくものなの。だからこだわりの強い方が多いのよ。でも萩原君は逆に質問攻めになっちゃいそうだったったから、採寸だけしっかりして、ある程度こっちで好きに作 らせてもらったけど。」
「…あ、はい。そうして頂けて、助かりました…あの、でも、シャツまでって思ってなかったので、その、予算オーバーかも、と思って。正直そっちが心配なんですけど、大変申し訳ないんですが、冬のボーナス払いか、分割とかってお願いできませんか…?」
「あら。美佳の彼氏からお金なんて取らないわよ。美佳から事情も聞いてるし。」
う、そ、それは…彼女のお母さんに懐事情まで筒抜けとなると…それはそれで恥ずかしい。そんな甲斐性のない男ダメですって言われたらどうしよう、と思うと別の意味でもドキドキしてきた。
「や、それは流石に…」
「タダじゃ忍びないって言うなら、生地代くらい頂きましょうか?3万円でどう?」
「でもそれじゃ…」
「元々貰うつもりなかったのよ。プレタポルテのスーツしか着たことのない若い子に、オーダースーツの着心地を知ってもらえるだけでも十分。元々この店自体趣味みたいなもんだしね。」
そこに美佳ちゃんのお父さんが奥から出てきた。
「…あ、はい。そうして頂けて、助かりました…あの、でも、シャツまでって思ってなかったので、その、予算オーバーかも、と思って。正直そっちが心配なんですけど、大変申し訳ないんですが、冬のボーナス払いか、分割とかってお願いできませんか…?」
「あら。美佳の彼氏からお金なんて取らないわよ。美佳から事情も聞いてるし。」
う、そ、それは…彼女のお母さんに懐事情まで筒抜けとなると…それはそれで恥ずかしい。そんな甲斐性のない男ダメですって言われたらどうしよう、と思うと別の意味でもドキドキしてきた。
「や、それは流石に…」
「タダじゃ忍びないって言うなら、生地代くらい頂きましょうか?3万円でどう?」
「でもそれじゃ…」
「元々貰うつもりなかったのよ。プレタポルテのスーツしか着たことのない若い子に、オーダースーツの着心地を知ってもらえるだけでも十分。元々この店自体趣味みたいなもんだしね。」
そこに美佳ちゃんのお父さんが奥から出てきた。