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another storys
第26章 シンデレラ ガール【同級生】
関口さんが、ヘアカラーのサンプルを持ってきて見せてくれる。

「今のミドリちゃんの髪色がこのくらい。今からこの色にしようと思ってるんだけど。」

黒から順番に明るくなっていく人工毛の毛束のサンプルで、私の髪色は黒から2〜3段階目、関口さんが示したのは更に2段階くらい明るい色みだったけど、明るすぎるとは思わなかった。何より、玄くんの言葉を信じて、プロに任せてみよう、と思ったから、私はハイ、と頷いた。

「オッケー。じゃ、カラーリングと並行して顔のベースも作っていくわね?」

関口さんは拭き取るタイプのクレンジングで、優しく、手際よくメイクを拭き取ると、シートパックをしてくれた。

目を瞑って全てを任せる。首のタオルとケープが取り替えられ、コームで掬った髪にペタペタとカラー剤を塗られる感覚。手はヤスリで形を整えた後、甘皮のあたりを整え、オイルで丁寧にマッサージされて、ネイルカラーを塗られる感覚。右手が終わったら作業台が反対側に移動して、左手も同じ手順で整えられる。
全て同時進行で手際よく、でも丁寧で、すごく贅沢な気分だった。
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