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another storys
第27章 帆掛舟【潮騒】

「お義父さん、お義母さん。折り入って、話があります。」
善治郎さんの葬式の後、私は仏間でお義父さんとお義母さんに相談をした。
ここで海女をして、親戚に頼って子供を育てるには限界があるから、私が働かなあかんと思う。
けど、この田舎で、四人育てられるだけの収入を得るのは難しいと思う。
だから…大阪で、産婆の免状を取る勉強をしたい、と。
なんで産婆かと言われたら、それなりに稼げそうな免状の中で、頑張れば取れるんやないかな、と思うたから。
自分も、四回経験してるから。全く知らんことを一から学ぶよりは、自分の経験が活かせるんやないかと、まぁ、単純な思いつきやったけど。
正直、この世の中に、女の仕事がなんぼほどあるんかも、何が難しくて、何ならできるんかも、さっぱりわからん。
ただ、身体を売るには私は歳をとり過ぎとるから、そんなのは無理や、そんなら何ぞ手に職つけんといかん、という一心で。
深く考える時間もなかったし、考えたところで頭の中で答えなんぞ出ん、と思ったから、思いついたモノに賭けるしかなかった。
善治郎さんの葬式の後、私は仏間でお義父さんとお義母さんに相談をした。
ここで海女をして、親戚に頼って子供を育てるには限界があるから、私が働かなあかんと思う。
けど、この田舎で、四人育てられるだけの収入を得るのは難しいと思う。
だから…大阪で、産婆の免状を取る勉強をしたい、と。
なんで産婆かと言われたら、それなりに稼げそうな免状の中で、頑張れば取れるんやないかな、と思うたから。
自分も、四回経験してるから。全く知らんことを一から学ぶよりは、自分の経験が活かせるんやないかと、まぁ、単純な思いつきやったけど。
正直、この世の中に、女の仕事がなんぼほどあるんかも、何が難しくて、何ならできるんかも、さっぱりわからん。
ただ、身体を売るには私は歳をとり過ぎとるから、そんなのは無理や、そんなら何ぞ手に職つけんといかん、という一心で。
深く考える時間もなかったし、考えたところで頭の中で答えなんぞ出ん、と思ったから、思いついたモノに賭けるしかなかった。

