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第28章 それぞれのX'mas 【Cross roads 他】

本当は、今回もメッセージプレート付きのネックレスにしようかとも思ったんだけど。
実は前回バースデープレゼントのネックレスに入れたとき、刻印のオプションは1文字いくらだから、伝票にはガッツリメッセージが入っちゃってて。偶々伝票を見た人の口から、企画課にスゴイ熱烈なメッセージを入れたプレゼントを発注した若手が居る、とか。
出会って数日でプロポーズしたらしい、とか、尾ひれ背びれがついてエライ騒ぎになった。
企画課の若手なんて俺含めて3人しかいないんだけど、身に覚えのない２人がニヤニヤしてるから、部内では俺だってすぐにバレてスゴイ恥ずかしかった。
そしたら祥悟さんが「いくら社販だからってそこから社員のプライベートを穿り返すのはどうか」と問題提起して、結局、アルファベット・数字・記号という種類と、文字数だけが入るようにして、伝票には刻印メッセージが印刷されないようにシステムを変更してくれた。
さすが次期社長の鶴の一声、って感じで。
それから、まぁメッセージを入れやすくはなったんだけど、そうなった張本人が俺だって、知ってる人は知ってるから、隠されると余計に覗きたくなるのは他人の心理ってもんで、今回はどんなメッセージなのかって余計に詮索されそうで、メッセージプレートはやめておいた。リングの内側にネームや日付の刻印は標準で、10文字以内ならオプションにはならないから今回はリングにした。