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another storys
第28章 それぞれのX'mas 【Cross roads 他】
「キレイ…コレ、なんて言う石…?」
「パライバトルマリンだよ。」
「…って、スッゴイ高いヤツじゃないの⁉︎」
「んー、希少石だから安くはないけど。でも俺この石好きだし。沙織ちゃんに絶対似合うと思ったから。」
「……ありがとう…大事にする…」
沙織ちゃんは唇を噛み締め、ぎゅっと目を瞑った。
あ、笑顔もいいけど、この感動した顔もイイな…と、1人悦に入って。クリスマスのサプライズは、成功、ということにした。
沙織ちゃんは俺に時計をくれた。
高いブランドものじゃなく、日本のメーカーの、ソーラーバッテリーの電波時計。
防水性もバッチリで、暗い所でも文字盤が見えやすいライトとカレンダー付。
デザインもシンプルで、ロイヤルブルーの文字盤と、傷つきにくいサファイヤガラスがキレイ。
沙織ちゃんらしい、実用性重視のセレクト。
ま、コレだけ機能が充実してれば数万円はする。
安い買い物じゃない。
時計は幾つか持ってるけど、クォーツは付けようと思ったら電池切れてることあるし、手巻きは面倒臭い。自動巻きも何気にメンテナンスしないとだし。偶にこれ見よがしに腕振って時間確認するヤツ居るけど、俺アレ大っ嫌い…
ダサいのは嫌だけど、特に贔屓のブランドもないし、何百万もする時計には興味ない。
男の時計見て値踏みするようなタイプのコが嫌で、沙織ちゃんを選んだ俺としては、期待を裏切らない直球のセレクトで、すごく嬉しかった。