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another storys
第30章 思い出の味【社内恋愛のススメ・Cross roads】
「子供は、母親が好きなの。自分を愛してくれなくても、可愛がってくれなくても、虐待するような人だって、子供は本能的に母親を追うように出来てるんだって。だから、無理に嫌いにならなくていい。好きだったのに、置いて行かれて悲しい思いをしたのは事実だもの。嫌いだったんだ、って無理矢理事実を捻じ曲げて押し込めてしまわないで。好きなものは、好きでいいじゃない。大好きなお母さんだから、今幸せに生きてくれてていいじゃない。お母さんが、今不幸で、惨めな生活をしてたら、一瞬くらいはザマァ見ろって溜飲が下がるかもしれないけど。後からきっと心配になる。隆行くん、優しいから、絶対そうなるって思う。…お母さんも、隆行くんのことが好きだよ、きっと。だから、大人になった姿を、遠くからでもいいから見たいなんて言って来たんでしょう。興味なくて忘れてたら、そんな事言ってこないわよ。そうでしょ?」
「…………」
「…………」