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淳、光と闇
第35章 親子の絆

「うむ…
しかし、わしが謝罪して…
あの子達はわしを
許してくれるだろうか?」
「それは淳には図りかねますが…
親子なら必ず分かり合えると
淳は信じます。」
「そうか…」
「旦那様…」
「何じゃ?」
「双子にお会いになって…
謝罪しても…
最悪の事…
起こるやも知れません。
お覚悟だけは…
しておいて下さい。
良いですね?」
「委細承知…」
「面会の設置は
この淳が致します。
さすればお心の準備を…
では、淳はこれで帰ります…」
淳はその場を立ち去った。
「わしは…わしは…
何と言う事を…
わしは…神よ…」
省吾はその場に崩れ落ちた。
病院に戻った淳はこの事を
さゆりに話した。
美紀も黙って聞いている。
「そう…それは…
間違いないのですね?」
「はい、間違いないと思います。
旦那様と由美さんが…
双子のほくろの位置と
火傷のあと…知っていました。
やけどは太ももの付け根ですから
女性でなければ知りえません。」
「そう…分りました。
でも、淳?」
「はい。」
「最悪の場合は…
貴方は省吾様を
失うかもしれませんよ。」
「分っています。」
「なら結構…」
「婦長…」
「美紀ちゃん、
その日は…参加した関係者
全てが悲しい結末に
なるかもしれませんね。」
「はい…」
「あの子達は…
受け止めてくれるでしょうか?」
「あの二人なら…
あの二人は強い子です。
きっと大丈夫ですよ。婦長…」
「そうですね。」

