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淫徳のスゝメ
第5章 私の暗黒時代のこと
私達が世間話を交わす間、小さな少女ら三人がこまやかな給仕を務めた。ケーキが尽きると、見るからに機敏そうな年長の女が、真新しい宝石をデザート皿に載せて運んでくる。
蓮美先生は、例のごとく私から近況を聞き出した。
お兄様がパートナーを迎えた話をした時は、手のひらを叩いて笑いながら、揶揄した口調で祝福をくれた。
「本当に、姫猫は自慢の生徒だわ。それに貴女は中学にいた時分から品格があって、釣り合うお友達が出来なくて心配していたところもあるけれど、今はこんなに美しい人と仲良くなっている。早良さんは、お父様同士の仲が良ろしかったのね。薬や占いに興味はあって?」
「催淫剤や、信じるに足りない雑誌の占いページなら、面白可笑しく利用します」
「貴女も姫猫も不用心だわ。ちゃんと科学的根拠があるというのに、一部のマスコミがそういったものを無駄にロマンチックに伝えるから、貴女達のようにタカをくくる子達がいるのね。…………大丈夫。脅すつもりはないわ。私は圏内を滅せるだけの術も得たけれど、姫猫達の期待に添って、娯楽性の高いものも提供出来る。ただ、私から招いておいて、元教え子達に金銭を要求する気になれない。課題を出しましょう、姫猫と早良さんがクリア出来たら、媚薬でも恋愛運でも、望み通りの謝礼をするわ」