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第6章 《ぬくもり…》

スイートタイムの滞在後、
マンションに戻った菜々美は寝不足のまま土曜日をダラダラと過ごした。

『遥斗とのエッチを断って泊まりに来たよ〜』
陽子の計らいに今の菜々美には涙が滲む。

シングルベッドで菜々美は陽子にすり寄って溜め息。『ありがとう』

１人になりたくなかった…泊まりに来てくれてありがとう…

『結城さんにもこんな風にすり寄って眠ったの？』
『う……』
『あたしそんな菜々美を期待してたわ、
結城さんの腕は温かかった？やっぱ結城さんに菜々美を任せて正解なのよ。
乱暴の傷が癒えたら少しは異性に積極的になんなきゃね』

『陽子ってば…』

『高瀬に文句を言いに行ったらね結城さんが車から降りてきて、
菜々美をかばっていたわ。
遥斗が彼じゃなかったら惚れちゃいそう』

あの時の…

『澤井くんが怒るよ』

『遥斗が一番だから言えるのよ、
結城さんステキ』

陽子はあの時の結城の言葉を正確に伝え羨ましさからの溜め息。

『高瀬らが結城さんを殴ろうとするけど、
彼は避けながら逆に殴ってくの。
正当防衛だ――ってかっこよくない？』

『ん…』
車内からでも見えていた…なんだかそんな立ち回りって初めて助けられた時を思い出すの…
バニーガールの私の手をとりホテルを駆け出して…

結城さんたしかにかっこ良かった…――

『菜々美？』
『ううん…』

『結城さん菜々美の事よく見てるかのように、
高瀬達に反論していたわ。菜々美が好きになるなら結城さんが良いわ』

『勝手に恋を決めないで…』
そう…勝手に恋を決めないで…