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《愛撫の先に…》
第2章 《交渉成立!?…》
敏感な膨らみ・股間に悲鳴をあげそうになりながら彼女は服を身に付けた頃、
シャワーの音が止まり彼が脱衣室のドアを開けた。

ショートカットが少しのび、ゆるいパーマをかけたように毛先が右に左にと遊ぶ。

彼の髪やなめらかな肌をつたう水滴に色気さえ感じ、彼女は首を振った。

体を合わせたからじゃないわ…
あたし風呂あがりの男の人なんて免疫ないもの…

『俺が着替えたら送っていきますから』
待っていて、という意味で彼は隣の部屋を示した。


……
結城のシルバーの車はホテル奥の専用駐車場を出て5分走った頃、
信号待ちの彼が言った。

『唇や胸にキスをしても、予言がうっすらとしか浮かんでこないんです。
すまない…君の処女を奪ったのに』

『結城さんそんなに何度も謝らないでください』

『仕事依頼の受信メールには処女だと明記されていなかったから…』

『陽子…いえ親友が勝手に書き込んで送信してたから、あたしそんな項目なんてわからなくて…』

『俺と寝る事が契約でも、処女とメールに書いてあれば胸までに留めているんです』

だからあんなに謝って?
『そうだったんですか…』
『事が中途半端で終わって、だから交渉成立とは言いがたいけど。
彼との約束は遅れないよう…これが俺からの予言です』

Tシャツにジーンズの彼はすまなそうに微笑む。

『彼と良い恋を…ー』
それから20分走りマンションの前まで彼はそう言って車を走らせ、
菜々美はぼんやりと見つめていた。
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