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《愛撫の先に…》
第3章 《胸の思い…》
『初なようでもバージンじゃなかったし、江崎さん男を知ってるんだな。
つき合うならバージンが良かった』
高瀬は身なりを整えながら言う。

ぐったりしたままの菜々美には信じられない言葉だった。

処女はスイートタイムで奪われた―――。
何故あたしはそこに行ったの?
何故陽子の送信メールを無視しなかったの?

***

次の日。
『お昼に話を聞くわ』
始業前の陽子との約束にまぐろ丼・ミニうどんを食べた後、
会社に戻る為に歩きながら話していた。

『ひどい!』
『眠れなかった。
処女じゃないのは結城さんに奪われたから。
男を知ってるなんてひどすぎる』
話題が話題なだけに小さな声で話す菜々美だが、
陽子はそこで声のトーンをあげた。

『菜々美あの契約の夜が処女だったの〜!』
行き交う人々が振り返り、菜々美は陽子をたしなめる。
『陽子あの契約メールに書いて…』
『【処女であるならば契約予約メールに処女だと明記してください】
そう書いてあったけど、24歳なら済ませてるものだと……ごめん、菜々美』

『もういいよ、終わってしまった事だもん』

『よくない!
高瀬に菜々美の魅力をわかってもらうわ』

あたしの魅力?
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